【動画】360度の大パノラマが広がる天上の大草原
6月26日7時、梅雨がまだ明けきれない松本地方だが、この日、美ヶ原高原は快晴に恵まれた。美ヶ原の最高峰にある王ヶ頭ホテルのスタッフも、こんな快晴はめったにないというほど。グルッと360度の山岳大パノラマが眼前に広がった。
日本を代表する山岳リゾート、美ヶ原
美ヶ原は長野県のほぼ中央に位置し、八ヶ岳中信高原国定公園の北西部にある。最高峰は標高2034mの「王ヶ頭」。日本百名山の一つに数えられます。
日本百名山の半数近くが見渡せる
どこまでも緩やかな緑の起伏が続く山上の別天地。美ヶ原の山頂、王ヶ頭(おうがとう)から見渡せば、360 度、山また山の山岳景観が広がります。それもそのはず、ここは山岳県長野の中心であるばかりか本州のほぼ中心に位置します。周囲には南北アルプスはじめ八ヶ岳や北信の山々、浅間山のほか、富士山や奥秩父、西上州まで名立たる名山が雲海の上に顔を揃え、日本100名山にあげられた半数近くを眺めることができます。何より圧巻なのは西に望む北アルプスで、北の白馬岳から南は槍・穂高までの100㎞に及ぶ山並みが延々と連なります。
「世界の天井が抜けたかと」
ここは標高2000m前後、東西約5㎞に広がる溶岩台地で最高所は王ヶ頭の2034m、山の詩人、尾崎喜八は麓から登りつめて高原の一角に立ったときのことを「世界の天井が抜けたかと」と、その広大な光景を嘆息まじりに表現しています。初夏以降は高原一帯にお花畑が出現し、散策コースの途中には放牧場があってウシがのんびり草を食む光景も見られます。また、開放的な高原の広がりは夜間の星空観察にも絶好のスポットになっています。
他に類を見ない山岳景観
この高原は江戸の昔から放牧のために利用されていましたが、当時はまだ単なる牧野にすぎませんでした。美ヶ原と呼ばれるようになったのは、昭和以降一帯の豊かな自然が広く知られるようになってからといわれます。今は、麓の松本と、上田から2本の山岳ラインが通じ、山上には行き届いた宿泊施設が整備された日本を代表する高原リゾートの地となっています。そしてここはまさに日本一のマウンテンビューポイントで、これだけ顔ぶれ豊富な山岳景観に恵まれたところは日本全国どこを探してもないでしょう。





Text: 藤沼裕司 (ふじぬま・ゆうじ)
フリー編集者、記者。動植物、自然、歴史文化を主なテーマに活動。
Photo: 小野里保徳
「まなびジャパン」Director
Music: 水城雄
1957年、福井県生まれ。東京都国立市在住。作家、ピアニスト。音読療法協会ファウンダー、現代朗読協会主宰、韓氏意拳学会員、日本みつばち養蜂(羽根木みつばち部)。
20代後半から商業出版の世界で娯楽小説など数多くの本を書いてきたが、パソコン通信やインターネットの普及にともなって表現活動の場をネットに移行。さらに2001年にみずから現代朗読というコンテンポラリーアートを打ち立て、マインドフルネスと音楽瞑想の実践を深め、2007年にはNVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)と出会い、表現活動の方向性が確定する。表現と共感、身体と感覚、マインドフルネスと瞑想の統合をめざし、いまこの瞬間のナマの生命のオリジナルな発露をテーマに表現活動と探求の場作りをおこなっている。