まなびジャパン

  • English
  • Chinese
  • Korean
  • Spanish
  • 
  • 
ニュースNews
自然Nature
文化Culture
芸術Art & Design
特集Features
行事Life and Events
食と産物Food
匠の技Great Masters
旅先Destinations
世界遺産World Heritage
暮らしLifestyle
VideoVideo

暮らし

どこでも手に入る身近な花を、手持ちのグラスやマグカップ、お皿などを使って手軽に生けてみませんか?花道家・大久保有加さんが贈る、ハッピーでポジティブな花のある暮らしのエッセイといけばなレッスン。
今回の花材はガーベラです。

Text : 大久保有加  / Photo : 新美 勝

キーワード: ガーベラ / 多年草

キッチンを華やかに、ガーベラのアレンジ。

すっと伸びた茎の先に色鮮やかな花弁が印象的なガーベラ。一重咲き、八重咲きのほか、細長く尖った花びらが幾重にも重なったスパイダー咲きなど多くの品種があるうえ、大きさも色の種類もさまざま。1年中流通していて冬も楽しめますが今が最盛期、いちばん種類が豊富です

ガーベラは南アフリカ原産の多年草。春は最盛期で花色も種類も豊富。

左からハーブゼラニウム、ハラン、アイビー。

ハランでガーベラを支えつつ、色のコントラストと形を楽しむアレンジ。キッチンが華やぎます。

ハランの葉の中心から葉脈に沿って切り込みを入れ、ガーベラの茎を挿しながら、波打つような葉の表情を作ります。

優しいピンク系のガーベラを均等に並べた小さな3つの器に生けました。伸びやかなアイビーと香りのよいハーブゼラニウムを添えて。

女性が魅了されるオトコ×花の関係

生け花は、もともと男性のたしなむものでした。女性の手習いとなったのは、江戸の後期から。

一家の主が床の間におもてなしの花を生けて客人をもてなす。生ける植物の表情を見極めて、美しいと思った箇所を際立たせるために、その他のところは鋏をいれて削ぎ落とし、より伝えたい美を引き出していく。
 花を生けることは、植物とのコミュニケーション。このやりとりから、直感力、決断力、実行力が養われていくのです。ビジネススキルにも繋がり、かつて武士のたしなみだったのも納得。

集中することで無心になり、植物と向かい合うことで、自分自身のリズムや呼吸が整っていくことが生け花の魅力でもあります。

男性の花を愛でる姿は何とも魅惑的。生け姿もとても美しいのです。私は「 花を愛でる」 という言葉は、もともとは男性の花に対しての眼差しの表現ではないかと思っています。男性の花を愛おしむ眼差しには、女性が花を見つめる愛情とは違う、艶のある美しさを秘めている気がしてなりません。

日本語では、たとえ枝物や葉だけを生けても「花を生ける」「花が生けてある」と表現します。日本の言葉遣いからは、植物と人が共に生活している様子がみてとれます。生活に根ざした花文化がそこにあるのです。

植物たちの命の輝きを「花」と呼ぶ。そうした感覚を共有できる日本の生活文化を失いたくないものです。

Text: 大久保有加 

花道家。草月流師範。草月流を世業とする家に生まれる。 東京・高輪にある「IKEBANA ATRIUM」を拠点に、いけばな指導や作品発表を行うほか、花のイベントの企画、プロデュース、執筆、講演など活動は多岐にわたる。日本産花きを使った輸出振興、公立小学校への授業プログラム支援、子供たちへの花育など 、花き産業と花文化を繋ぎ、文化発信・文化交流・教育支援を軸に花を通したコミュニケーションの可能性を国内外にて行うため、 一般社団法人 ジャパ ン・フラワー&コミュニケーションズ (JAFLAC)を設立。代表理事を務める。http://jaflac.jp
http://jaflac.jp/

Photo: 新美 勝 (にいみ・まさる)

  • Share
  • Tweet

暮らしの中に生け花を その一 キッチンを華やかに、ガーベラのアレンジ

[ 暮らし ] 暮らしの中に生け花を その一 キッチンを華やかに、ガーベラのアレンジ

Text : 大久保有加  / Photo : 新美 勝

キーワード : ガーベラ / 多年草

関連記事

わが町の国際交流。東京下町、茶道を通じた文化交流

注目記事
  • 文化

    日本の家、基礎知識。各部の呼び名、その由来と役割

  • 特集

    400年間守り継いだ城を次世代に残す“最後の姫”。犬山城第12代城主・成瀬正俊の長女、成瀬淳子さん

  • 特集

    日本犬はオオカミと最も遺伝子が近い? そのルーツを紐解きに、麻布大学教授菊水健史氏を訪ねました。

  • 匠の技

    日本の名品が買える店。その10「十三や(つげぐし)」。京都下京区

  • 特集

    民俗学者、新谷尚紀先生に聞く「生活の中にある日本の歴史=新しい民俗学の世界」

  • まなびジャパン フォトアルバム 1
  • シダックスグループ・オフィシャルサイト
  • Seven Oaks
  • まなびジャパン
  • シダックスグループ
  • 広告掲載&各種サポートのご案内
  • 編集・運営
  • 著者一覧
  • お問い合わせ
  • サイトポリシー
  • 会社概要

Copyright© Shidax Co Ltd., All rights reserved