太陰暦の時代、春夏秋冬それぞれを6つに分けて24等分し、その区切りと区切られた期間の季節を表すために作られた二十四節気。七十二候はそれをさらに3つの項に細分して1年の移ろいを表したものです。些細な兆しからいつしか劇的な変化を遂げていく日本の四季の表情を、水城 ゆうがピアノで表現します。
大雪 たいせつ
二十四節気21番目の「大雪」。山岳地だけでなく、平地でも降雪が見られ、日本列島は冬一色となります。2020年も日本海側の東北・北陸地方で大雪となりました。
世界の豪雪地帯として、カナダやアメリカ、ノルウエー、ロシア、チリのアンデス山脈などが有名ですが、実は世界一の積雪記録は日本。滋賀県と岐阜県にまたがる伊吹山で1927年に1182cmという世界最深の積雪が記録され、100年近く経った今でもこの記録は破られていないそうです。
「豪雪地帯」と指定されている地域の面積は日本の国土の51%、つまり国土の半分以上は豪雪地帯となります。また、世界的に見ると豪雪地帯は山間部や極地などあまり人の住まない場所が多いのですが、都市にある気象台や観測所などの気象官署の中では青森市がトップ、世界一の「豪雪都市」となっています。青森市に限らず、人口の多い都市部で多量の雪が降るのは世界的に見てもほとんどなく、日本固有の現象といえるのです。
二十四節気「大雪」七十二候
大雪【初候】第六十一候・12月 7日〜 閉塞成冬 そらさむくふゆとなる
大雪【次候】第六十二候・12月11日〜 熊蟄穴 くま あなにこもる
大雪【末候】第六十三候・12月16日〜 鱖魚群 さけのうお むらがる

イラスト:ストレリチア(Strelitzia)=単子葉植物ゴクラクチョウカ属の一つ。南アフリカを中心に5種類が分布し、葉が美しく観葉植物として栽培されるが、ストレリチア・レギナエは鮮やかなオレンジ色の萼と青色の花弁からなる花を咲かせる。ゴクラクチョウカ(極楽鳥花)の名の通り、ダイナミックで独特な姿は南国の鳥のよう。環境が合えば夏も冬も花を咲かせる。
Piano: 水城雄
1957年、福井県生まれ。東京都国立市在住。作家、ピアニスト。音読療法協会ファウンダー、現代朗読協会主宰、韓氏意拳学会員、日本みつばち養蜂(羽根木みつばち部)。
20代後半から商業出版の世界で娯楽小説など数多くの本を書いてきたが、パソコン通信やインターネットの普及にともなって表現活動の場をネットに移行。さらに2001年にみずから現代朗読というコンテンポラリーアートを打ち立て、マインドフルネスと音楽瞑想の実践を深め、2007年にはNVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)と出会い、表現活動の方向性が確定する。表現と共感、身体と感覚、マインドフルネスと瞑想の統合をめざし、いまこの瞬間のナマの生命のオリジナルな発露をテーマに表現活動と探求の場作りをおこなっている。
Illust: 朝生 ゆりこ (あそう・ゆりこ)
イラストレーター、グラフィックデザイナー。東京藝術大学美術学部油画科卒。雑誌、書籍のイラスト、挿画などを多く手がける。 https://y-aso.amebaownd.com