四季の巡りと暮らしの節目に、人々は神に祈り、祭りを行う。
その人々の熱き心、ほとばしる想いの瞬間を、写真家・森井禎紹が切り取ります。
今回は9月の祭り「春照太鼓踊り」、「おわら風の盆」、「岸和田だんじリ祭り」を紹介します。
春照(すいじょう)太鼓踊り
長期にわたる干ばつに苦しんだ農民が始めたものと言われている。
秋葉神社前から北国脇往還を八幡神社へと、村を挙げての踊りの行列は、奴振りを先頭に、山火牛、ふくべ振り音頭、笛、鉦、太鼓と300名に及ぶ行列の波が続く。
奴振りが、昔そのままの勇姿で練り歩き、原には各々絵を描いているのがユニークである。
八幡神社に着くと、昔ながらに菅笠、緋色の手甲脚絆、揃いのカルサンと色彩豊かな衣裳で、ひたすら雨を乞う願いがアヤ折となって秋空にこだまし、踊り手達のバチさばきも一層冴えてくる。
・開催日:5年に一度。次回は2019年9月23日
・開催地:滋賀県米原市春照
・問い合わせ:米原市商工観光課
〒521-0392 滋賀県米原市春照490-1
TEL 0749-58-2227 FAX 0749-58-1197



おわら風の盆
八尾が全国に誇る民謡「おわら」は、300年余の歴史がある。その唄と踊りは、叙情豊かで気品が高く、哀調の中に優雅な趣を有している。
二百十日の風邪を治め、五穀豊穣を祈る行事に変わり、いつしか「風の盆」と呼ばれるようになった。
格子戸の旅旅籠、土蔵、造り酒屋、昔の面影を残す町並みに明かりが灯る頃、どこあkらともなく聞こえてくる三味線、太鼓、胡弓の音。鳴り物に合わせて唄声が流れ始めると、踊りの列が舞を集う。
ぼんぼりと幔幕(まんまく)に彩られた町を編み笠の波が行き交う。
・開催日:毎年9月1日〜3日
1日2日は15時〜23時、3日は19時〜23時
・開催地:富山県富山市八尾町
・問い合わせ
○越中八尾観光協会
〒939-2342 富山県富山市八尾町上新町2898-1
TEL(076)454-5138 FAX(076)454-6321
E-mail:kankou02@cty8.com
○富山市八尾山田商工会
〒939-2354 富山県富山市八尾町東町2106-4
TEL(076)455-3181 FAX(076)455-0606
○富山市商工労働部 観光政策課
〒930-8510 富山県富山市新桜町7番38号
TEL(076)443-2072 FAX(076)443-2184



岸和田だんじリ祭り
神話や霊獣、源平盛衰記などの戦記物語の名場面を彫り上げた彫刻を施した34代のだんじりが、そろいの法被姿の町衆に曳かれ、城下町を駆け回ります。
特に辻を勢いよく直角に方向転換する「やりまわし」は祭りの一番の見どころです。重さ4トンのだんじりを辻の真ん中まで曳きだし、絶妙の合間で車輪に梃子(てこ)がかまされ、大工方の合図で、後梃子が力まかせにだんじりを振る。そして、一瞬のうちにだんじりの方向を変える。
元禄16年、京都の伏見稲荷を岸和田城にお祀りし、五穀豊穣を祈願Bして行った稲荷祭が、その始まりと伝えられている。
夕方には200個あまりの提灯が飾り付けられる。
・開催日:毎年9月14日、15日
・開催地:大阪府岸和田市本町
・問い合わせ
岸和田市役所観光課
〒596-8510 大阪府岸和田市岸城町7-1
岸和田市役所別館4階 観光振興担当
Tel:072-423-9486 Fax:072-423-2384
問い合わせフォーム
https://www.city.kishiwada.osaka.jp/form/detail.php?sec_sec1=36&check


Photo & Text: 森井 禎紹 (もりい・ていじ)
写真家。1941年生まれ。兵庫県三田市出身。1964年頃より趣味で写真を始める。写真コンテスト、カメラ雑誌月例コンテストに応募、入選回数362回を数える。1990年プロに転向、ライフワークとして日本全国の祭りを取材。『祭りに乾杯』『祭り旅』『祭り日』他多くの写真集を出版。現在、社団法人写真家協会(JPS)会員、一般社団法人二科会写真部常任理事、兵庫県写真作家協会最高顧問など。