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食と産物

普段、私たちが当たり前に食べているお米ですが、その米づくりについては、田植えと稲刈りくらいしか知らないという方が多のではないでしょうか。そんな方たちに、米づくりに少しでも興味をもって持っていただこうと、ここでは、米作りの実際の作業の様子を、1年を通じてお伝えします。
レポートは、編集の仕事と農業を両立実践している『まなびジャパン』の編集スタッフでもある中澤浩明。彼は群馬県の高山村で、継承者がいず、手がつけられなくなった田んぼを借りて、小規模ですが無農薬・有機栽培で米づくりに取り組んでいます。
この記事で、お米への理解を少しでも深めていただければ幸甚です。

Photo & Text : 中澤浩明

キーワード: 群馬県高山村 / 無農薬・有機栽培の米づくり / 播種

【米作り、1年間の作業行程】

1 種籾の準備(4月初旬)⇒

2 温湯消毒と田起こし・畦塗り(4月)

3 播種から苗づくり(4〜5月)⇒


4 代かきと田植え(5月)

5 水管理と雑草対策(6〜7月)


6 中干しから出穂(7〜8月)


7 稲刈り(10月)


8 稲刈り後の調整作業(10月)

播種機を使って種籾をまく

前回、温湯消毒後に浸種(しんしゅ)させた種籾は、いよいよ播種となります。播種とは、種まきのことで、専用の播種機を使用します。

これは、田植機にセットできる60cm×30cmの専用の苗箱に、流れ作業で土と種籾を入れていく機械。苗箱をセットしたなら、床土入れ、水まき、種籾をまく、土をかける、という作業が自動できるというもの。人間は、苗箱をセット、種籾と土の入れ終わった苗箱を取り出して運ぶ、という作業だけですみます。

苗箱にはおよそ120〜150g程度の種籾をまいていきます。この種籾の量は調節することができ、米づくりを行う人の考え方などによって変わってきたりします。

この播種機を使った作業は、有機無農薬でつくっている仲間たちと共同で作業していきます。

播種機の奥から苗箱をセットすると、床土入れ、水まき、種籾まき、土入れが自動で行われます。
まずは流れてきた苗箱に床土を入れ、ブラシでならしたなら、水をかける。
次に種籾が均一にまかれ、その上に土をかける。
すべての工程が終了した苗箱が出てくる。

ビニールトンネルで苗づくり

次に苗箱にまかれた種籾を発芽させます。

電気で保温できる専用の発芽機を使ったり、苗箱を並べてビニールシートをかけて発芽させるなど、いくつか方法はありますが、自分たちは苗箱を積み上げ、ビニールシートで覆って保温しつつ発芽を促します。

発芽機を使えば2、3日で、苗箱を積み上げビニールシートで覆った場合は、1週間程度で小さな芽が出てきます。

芽が出始めたなら、水を溜められるようにビニールを敷いた苗代(なえしろ・なわしろ)に移動です。

苗代は苗を育てる場所のことで、大規模農家ならビニールハウス内に苗箱を並べて苗代としますが、ビニールハウスがなかったり小規模農家なら、水田の一部を使ったりします。

水田に苗代を作ります。

なるべく水平ならした場所にビニールを敷き、苗箱を並べられるような広さで2、3cm水を溜められるプールをつくります。ここに芽の出た苗箱を並べていき、ビニールシートで囲いトンネル状にして保温していきます。水と温度を管理しながら苗を育てていきますが、天気がよく日差しが強いと、トンネル内の温度が上がりすぎて苗を傷めてしまうので、毎日のチェックは欠かせません。

ここで3週間程度苗を育て、種籾をまいてから1カ月程度で苗が15cm程度に育てば、田植えのできる苗となります。

田んぼにビニールシートを敷いて水を溜められるように苗代を作り、ここに苗箱を並べていきます。
苗箱を並べたなら、ビニールシートをかけて覆い、温度と水を保ちながら苗を育てる。
田んぼ全体に水をはり、ビニールシートをかけるという方法もあります。
種籾から芽が出始めたころ。
ここまで育てば、田植えのできる苗となります。
苗が十分に生長したらビニールシートを外しておき、田んぼの準備ができしだい田植えです。

Photo & Text: 中澤浩明 (なかざわ・ひろあき)

群馬県高山村で雑誌&サイトなどの編集と農業を両立させる編集者。
ブログ『無農薬・有機でこめづくり』
www.diane-o.com

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実践!無農薬・有機栽培の米づくり。群馬県高山村農業歳時記 第3回 播種(はしゅ)から苗づくり(4〜5月)

[ 食と産物 ] 実践!無農薬・有機栽培の米づくり。群馬県高山村農業歳時記 第3回 播種(はしゅ)から苗づくり(4〜5月)

Photo & Text : 中澤浩明

キーワード : 群馬県高山村 / 無農薬・有機栽培の米づくり / 播種

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